内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によれば、65歳以上の人口は増加を続け、令和510月現在で総人口の約29%を占めるまでになっています。各々が持つ背景事情から1人暮らしをする高齢者も多く、健康面での問題や日常生活における問題などはひとつの社会問題として考えられるでしょう。

 

だからこそ、病気や認知症の進行、孤独死などのリスクに対して、元気なうちにしっかりとした対策を講じておく必要があるといえます。そのようなリスクに備えるのが「見守りサービス」「見守り契約」なのです。

 

ここでは、一人暮らしの高齢者が検討したい見守りサービスや専門家による見守り契約について説明していきます

 

高齢者が一人暮らしを選択する理由

高齢者が一人暮らしを選ぶ主な理由として、主に次のような事柄が挙げられます。

 

「家族や親族が近くにいない」

子どもが遠方で働いていたり親族との交流が減ったりしているなど、1人暮らしをすることにやむを得ない事情があるパターン

 

「自ら一人暮らしを望んでいる」

施設に入ったり子供夫婦のもとに引っ越したりするのではなく、慣れ親しんだ環境でこれまでの生活を続けたいというパターン。また、自由な時間を優先したいという気持ちがあることも特徴的。

 

「一人暮らしすることに問題がない」

心身ともに十分元気で家事もできることから、1人暮らしをすることに大きな不安を感じていないパターン

 

一人暮らしの高齢者が直面しやすいリスク

高齢者それぞれが事情を抱えており、やむを得ず1人暮らしをしている人もいれば自らの意思で1人暮らしをしている人もいるようです。

 

ただし、高齢であることから、次のようなリスクが常に隣り合わせで存在することもしっかり理解しておきましょう。

 

病気やケガの発見が遅れやすい

  • 転倒や熱中症、持病の悪化など、初期対応が遅れ重症化のリスク

 

認知症の進行に気付きにくい

  • 周囲が異変を早期発見しづらく、手遅れになる可能性

 

生活習慣が乱れやすい

  • 栄養バランスの偏り、コミュニケーション不足による精神的不安定

 

犯罪や詐欺被害に遭いやすい

  • 高齢者を狙う特殊詐欺の標的になりやすく、大きな金銭被害を受ける恐れ

 

社会的孤立と孤独死(孤立死)のリスクが否定できない

  • 地域や趣味活動との関わりが薄いと、長期間誰にも気付かれずに亡くなるケースも想定される

 

「見守りサービス」で不安を解消しよう

見守り契約とは、定期的な連絡や訪問を通じて高齢者の生活状況を把握する仕組みです。自治体や民間業者などが見守りサービスを実施しており、1人暮らしの高齢者にとって以下のようなメリットが得られます。

  • 定期的な訪問や電話でメンタル面の安定
  • 万が一の体調不良や事故発生時に迅速な対応
  • 家族との関係が希薄でも、第三者が支えになれる

 

見守りサービスによる高齢者サポート

見守りサービスを利用することによって、高齢者の生活の質を維持し万が一に備えることができるようになります。

 

たとえば、定期的な訪問や電話による健康状態のチェックを受ければ、自分の体調の変化に気付いてもらいやすいでしょう。

 

生活上の困りごとを相談する場があれば、家事や買い物、通院などで困ったときにサポートを依頼できるかもしれません

 

専門家による法的サポートを受ければ、必要に応じて生前対策(任意後見契約や死後事務委任契約)を併用して利用することも可能です。

 

自治体や民間の見守りサービスを活用する

見守りサービスは、自治体や民間業者、法律の専門家などが提供していますので、どのような希望をどの程度まで叶えたいかによって、適切なサービスを利用するといいでしょう。

 

自治体サービスの一例(新宿区の場合)

東京都内では、新宿区のように地域のボランティアや事業者がゆるやかな見守り体制を整えている自治体が増えています。たとえば、次のような見守りサポートを受けることができます。

 

  • 地域見守り協力員事業: ボランティアや事業者が定期的に声かけや訪問を行い、異変があれば高齢者総合相談センターに連絡
  • 75歳以上のひとり暮らし高齢者対象: 月2回程度の訪問で、あいさつや軽い雑談を通じて日常生活を見守る

 

自分が住む地域でどのようなサービスがあるか、地元の役所や地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

 

法律の専門家による見守りサービス契約

地域の見守り事業以外にも、法律の専門家やNPO法人、介護事業者などが提供する有償の「見守りサービス(見守り契約)があります。定期的に電話や訪問を実施し、健康状態や生活環境の確認だけでなく、専門的なアドバイスを受けられることが特徴です。

 

  • 高齢者だけでなく、夫婦ともに高齢で将来が不安な方
  • 家族や親族が遠方に住んでおり、頻繁なサポートが望めない方
  • 普段の生活は自立しているが、万が一に備えたい方

 

上記のような方々が見守りサービスを利用することで、心の安定やいざというときの安全確保につながります。

 

当行政書士法人の見守りサービス

当行政書士法人では、以下のようなサポートを行う「見守り契約サポート」を提供しています。

 

見守り契約書作成サポート

高齢者に対する見守り行為をお引き受けするために、見守りサービス契約書を公正証書で作成します。契約書作成から見守り内容の検討、公証人との調整や契約日の調整にいたるまでトータルでサポートいたします。

 

見守り行為のお引き受け

見守り契約にもとづく以下のような業務を行います。

  1. 定期的な電話または訪問
    • 一人暮らしの高齢者に対し、月数回程度の連絡や訪問を行い、健康や生活状況を確認
  2. 生活状況の把握
    • 栄養状態や医療受診の状況、認知機能の変化などをヒアリング
  3. 法的アドバイス
    • 必要に応じ、任意後見や遺言書などの生前対策について助言

 

見守り契約と他の生前対策を組み合わせるメリット

弊社では、元気なうちの見守りサービス認知症などに備えた生前対策組み合わせてご利用になる方が多くいらっしゃいます

 

任意後見契約と見守りサービスの併用

任意後見契約は、自分の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ選んだ任意後見人に財産管理や身上監護を委ねる制度です。しかし、任意後見契約は本人の判断能力が不十分になってから効力が発生するため、それまでの段階をどうサポートするかという問題が残ります

 

そこで重要になってくるのが見守り契約です。任意後見契約と見守りサービス契約を併用することにより、次のことが可能になります。

    • 本人がまだ元気なうちから生活状況を継続的にチェック
    • 判断能力が衰えてきたときにスムーズに任意後見監督人選任の申し立てへ移行

 

死後事務委任契約と見守りサービスの併用

死後事務委任契約は、葬儀や納骨、賃貸物件の解約、各種支払いの精算など、本人が亡くなった後に必要となる手続きを第三者に委任する制度です。

 

死後事務委任契約と見守りサービス契約を併用することで、次のことが可能になります。

    • 生前から定期的にコミュニケーションをとり、信頼関係を築く
    • 死後の手続きを請け負う受任者と円滑に意思疎通し、葬儀や遺品整理の希望を共有できる

 

まとめ

日本社会の高齢化が進むなか、一人暮らしの高齢者が直面する問題は、健康リスクや詐欺被害、そして孤立死と多岐にわたります。家族や親族との連携が難しい場合、自らが自治体や民間の見守りサービスを積極的に活用し、「万が一」の事態に備えることが不可欠です。

 

当行政書士法人では、高齢者の一人暮らしを安全・安心に続けるための法的サポートや見守りサービスを行っており、皆様の状況に応じた最適なプランをご提案します。どうぞお気軽に無料相談をご利用ください。私たちと一緒に、一人暮らしでも安心して暮らせる環境を整えていきましょう。

 

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