高齢化社会が進む中で、終活の重要性がますます注目されています。

終活とは、人生の最期を迎える準備をし、残された家族が安心して生活を続けられるようにする活動です。

 

特に、家族間での争いを避けるための「争族対策」は、終活において重要なポイントとなります。

 

今回は、終活のやり方と相続争い回避のための準備方法について解説します。

 

終活とは

終活は、単に死後のことを整理するだけでなく、人生の最終段階を安心して迎えるために自分で決めるべきことを事前に整理しておくことです。

これにより、家族が後々困らないように、また不必要なトラブルや争いを避けることができます。

終活における基本的なステップには、エンディングノートの作成や、遺産相続に関する準備、介護や医療についての希望を明確にすることが含まれます。

 

エンディングノートの作成

エンディングノートは、最期を迎えるにあたっての自分の希望や思いを記録しておくものです。

これを事前に書いておくことで、家族が困らないようにし、トラブルを避けることができます。

 

エンディングノートの記載事項

エンディングノートには、以下のような内容を書き留めておくと良いでしょう。

 

介護の希望

どのような介護を希望するのか、施設の選定なども考えておくと安心です。

 

葬儀の希望

葬儀の規模や場所、費用について明確にしておくことで、家族の負担を軽減できます。

 

遺産相続

誰にどの財産を残すか、遺言書を作成することが争族対策の一環となります。

 

お墓の希望

お墓の形態や場所についても、あらかじめ決めておくことで家族の迷いを防げます。

 


また、エンディングノートだけでなく「自分史」を書く人も増えています。

これは人生の軌跡を振り返るためのもので、自分自身を再確認する良い機会となります。

 

遺言書の作成

遺産相続に関して最も重要なのが遺言書の作成です。遺言書があることで、後々の争いを防ぐことができます。

 

遺言書の種類

遺言書には、自筆証書遺言公正証書遺言があります。どちらも法的に有効ですが、それぞれに作成方法や注意点があります。

 

特に自筆証書遺言は、書き方や保存方法に細心の注意が必要です。遺言書を作成した後は、必ず家族にその保管場所を伝えておくことが重要です。

 

終末期医療、介護、施設入所の意思表示

高齢になると、病気や体力の低下で自分自身の意思を周囲に伝えにくくなる場面が増えてきます。「どのような医療や介護を受けたいか」「最期をどこで迎えたいか」を、まだ元気なうちに具体的に書き残しておくことが重要です。

 

1. 終末期医療の希望を示す

延命治療を含む終末期医療が必要な段階では、自分自身の意思表示能力が著しく低下している可能性があります。元気なうちに希望を示しておくことが大切です。

 

延命治療の希望

人工呼吸器や心肺蘇生、胃ろうなどの処置を「積極的に受けたい/可能な限り控えたい」とはっきり記しておくと、医師や家族が方針を迷わずに済みます。

 

緩和ケアの方針

痛みや苦痛を和らげる治療を優先するのか、延命よりも生活の質を重視するのかを明文化しておきましょう。

 

2. 介護サービスの利用希望を示す

体の自由が効かなくなってきたら、どのような形でサポートを受けたいか、介護サービスの希望を示しておくことも大切です。

 

在宅介護か施設介護か

住み慣れた自宅で介護を受けたいのか、専門スタッフの支援が受けられる施設を希望するのかを明示します。

 

利用したいサービス内容

デイサービスや訪問介護、ショートステイなど、具体的なサービス名を書いておくと手続きがスムーズです。

 

3. 入所施設の希望を示す

老後に施設への入所を検討している場合は、自分の希望ができるだけ反映されるよう、次のことを明確に示しておくといいでしょう。

 

候補施設をリスト化

立地、医療体制、費用、待機期間などを調べ、第一候補・第二候補を家族に共有しておくと安心です。

 

見学結果や入所条件をメモ

事前見学で感じた雰囲気や必要書類、初期費用も併せて残しておくと、家族が即座に手続きを進められます。

 

身の回りの整理

終活には身の回りの整理も含まれます。

 

断捨離を行い、不要なものを整理することは、精神的にも身体的にも良い影響を与えます。

身軽な生活を送りながら、自分の意志で大切な物を整理することで、終活がより充実したものになります。

思い出の品や必要な書類なども整理し、家族が後々困らないようにすることが大切です。

 

まとめ

終活の最も重要なポイントは、生きているうちに身内や家族と様々なことを話し合い、準備しておくことです。

 

遺言書やエンディングノートを作成し、家族間で明確に意思を伝えることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

また、終末期医療や介護に関する希望を記録しておくことで、家族の負担を軽減し、心穏やかに最期を迎えることができます。

 

終活は自分自身が納得いく最期を迎えるための準備であり、家族がその後も平穏に過ごせるようにするための重要な活動です。

今のうちにしっかりと計画し、家族との対話を大切にすることが、円満な終末を迎えるための鍵となります。

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