相続は、相続人同士の争いに発展することが少なくありません。こうした問題を「争族」と呼び、場合によっては話し合いで解決するのが難しくなることもあります。こうした場面で有効なのが、生命保険の仕組みを使った争族対策です。

今回は、相続(争族)対策として有効な生命保険の活用方法について解説します

 

生命保険を使った相続対策の基本

生命保険は、賢く利用することで相続トラブル対策になる場合があります。生命保険の利用についてどのような点を理解しておくべきか整理していきましょう。

 

1.財産分けの公平性を確保する

相続財産に不動産の占める割合が大きいと、換金しづらい資産をどう分配するかで相続人同士の対立が生まれやすくなります例えば、居住用の自宅をめぐって「同居していた長男に引き継がせたい」「他のきょうだいにも平等に財産を残したい」という希望が衝突することは珍しくありません。このようなときには生命保険の活用がとても有効です。

 

生命保険金の受取人にはまとまった金額の保険金が入ることから、不動産を引き継ぐ相続人と現金を受け取る相続人とのバランスを取りやすくし、相続(争族)の可能性を低減させることが可能だと考えられます。

 

2.遺留分侵害額請求に備えるための生命保険活用

遺留分(いりゅうぶん)とは、法律上、特定の相続人に保証された最低限の相続取得分のことです。被相続人が遺留分を考慮せずに財産配分を決めてしまうと、遺留分を侵害された相続人が「遺留分侵害額請求」を行い、最終的には話し合いがこじれる可能性があります

 

自宅のみの相続で起こりうるトラブル

例えば、相続財産が自宅のみで、長男がその家を相続する場合を考えます。自宅を持つメリットが大きい一方で、他の兄弟姉妹の遺留分を侵害してしまうリスクが生じるかもしれません。

 

特に、同居していなかった次男や長女などが「自宅の評価額が高すぎる」と感じ、遺留分侵害額請求に踏み切るケースが少なくありません

 

生命保険による補填の具体例

そこで有効なのが、相続人の兄弟姉妹などの遺留分を現金で補填できるよう、生命保険に加入しておく方法です。

  • 被相続人を被保険者とする
  • 保険金額を想定される遺留分の金額に設定する
  • 受取人を不動産取得予定の相続人にしておく

被相続人が父親で、相続人が長男(自宅不動産を相続)と次男(遺留分が発生)だった場合について考えてみましょう。

 

たとえば父親が生前に保険金2,000万円の保険契約を締結し受取人を長男に指定しておきます。そうすることで、長男は自宅を相続しながら次男の遺留分を2,000万円の保険金で支払うことができ、大きなトラブルを回避できることが期待できます

 

相続人同士のトラブルを防ぐための遺言書作成

相続発生時に「誰がどの財産を相続するのか」をスムーズに決定するためには、遺言書の存在が非常に重要です。法定相続分にとらわれず、被相続人の意思に基づいて財産配分を指定できるため、相続人同士の無用な衝突を減らす効果があります。

 

遺言書が無効になるケースに注意

ただし、遺言書を作成しても、形式不備や内容の偏りがあるとトラブルの原因になり得ます

 

  • 自筆証書遺言の書式や署名押印にミスがあった
  • 特定の相続人に過度に有利な内容となり遺留分を侵害していた など

 

上記のようなケースでは、遺言書が法的に無効と判断されたり、後から異議が出たりする可能性があります。そのため、遺言書作成時には専門家に相談し、遺留分や相続人の意思を総合的に考慮することが大切です。

 

遺言書と生命保険の併用

最高裁判所の統計によれば、近年、遺産分割をめぐるトラブルの増加傾向が続いているようです。高齢化社会に伴う資産分配の複雑化や、家族構成の多様化などが背景にあるためかもしれません。このような状況下で「相続トラブル(争族)」に巻き込まれないためには、事前の対策が極めて重要です。

 

たとえば、生命保険と遺言書を組み合わせて生前対策しておく方法はとても有効です。「生命保険金による現金補填」「遺言書による具体的な配分指定」を組み合わせて対策しておくことで、相続の際の誤解や不満を最小限に抑えることが期待できます。

 

遺留分に対応するために保険金を活用し、相続人同士の金銭的バランスを取ったうえで、遺言書を通して「誰がどの財産を取得するか」を明確化できれば、争いの火種を早期に除去できるでしょう

 

注意すべきポイント|国税庁の見解と手続きの煩雑さ

生命保険を用いた生前贈与は、非常に有効な相続税対策の一つとされますが、以下の点に留意しましょう。

  1. 国税庁の見解
    • 生存給付金があるタイプの保険は、保険事故(被保険者の生存)が発生するたびに「贈与」とみなされる可能性あり
    • その都度、贈与税が発生するリスクを踏まえる必要がある
  2. 煩雑な手続きや契約内容の確認
    • 保険商品ごとに受取時期・保険料負担者・受取人などが異なる
    • 契約内容をしっかり確認し、将来的な相続・贈与のシミュレーションを行うことが必須

 

相続の事前準備で争いを防ぐ

被相続人が元気なうちに生前対策しておくことで、争いが起こる可能性を高い確率で回避することができるでしょう。そのためにも、次の点に注意して準備することが大切です。

  1. 相続人同士の公平感を大事に
    不動産など分割しづらい資産が中心の場合は、生命保険の利用を検討し、遺留分を補填できるように備えておく
  2. 遺言書の作成でトラブルを抑制
    法定相続分にとらわれない形で財産を分配するなら、遺留分の配慮と形式的要件を満たした遺言書の作成を
  3. 早めの専門家相談がカギ
    相続関連の法律や税制は複雑であるため、生命保険の選び方や遺言書の具体的な書き方について専門家のアドバイスを受ける

 

まとめ

当行政書士法人では、行政書士を窓口として、提携している税理士や司法書士などと協力しながら相続に関する総合的なサポートを提供しています。特に、以下の分野で力を発揮します。

 

  • 生命保険を活用した争族対策
    お客様のご家族構成や財産内容を詳しくヒアリングし、最適な保険金額・受取人設定を検討します。
  • 遺言書作成の助言
    法律に適合した形で遺言書を作成するためのポイントを専門的にアドバイスし、遺留分問題や無効リスクを低減します。
  • 相続税対策・申告支援
    税理士との連携により、相続税シミュレーションや納税計画を立て、適正かつ円満な相続をサポートします。

 

相続問題は、一度こじれてしまうと時間も費用もかかり、家族の絆に大きな傷を残しかねません。争族を回避するためにも、できるだけ早い段階から相談し、法的に正しい手続きや保険契約を検討することが重要です。

 

専門家としての知見を活かし、円満な相続を実現するためのベストな方法をご提案いたしますので、ぜひ無料相談をご利用ください。

 

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