終活を始める人が増えるなか、「相続の準備は何から始めればいいのか?」と悩んでしまう方は少なくありません。相続は残された家族の生活や人間関係にも影響するため、生前に準備しておくことが非常に大切です。
ここでは、終活の一環として行うべき相続対策のポイントと進め方を、わかりやすく説明していきます。
終活で相続準備を行う目的とは
自分に関わるさまざまなことについて「終活」を進めていきますが、なかでも相続に関する準備は以下のような目的で行われます。
- 遺族の相続トラブルを防止する
- 相続税や手続きの負担を軽減する
- 財産の承継先を明確にする
- 誰に何を託すか、自分の意思を形にして伝える
これらを適切に行うことで、家族に安心と感謝を残す終活が実現できます。
終活でやっておくべき6つの相続準備
「自分の財産といっても少ないし、今から相続準備だなんて早すぎるのではないか?」と考える人は多いかもしれません。
しかし、生前に相続対策をしていなかったことで、自分の死後、家族間に争いが起きたり税金が重くのしかかったりするケースは少なくないのです。
後になって「もっと早くやっておけばよかった」と後悔しないための、具体的な相続対策について整理していきます。
1.財産目録を作成する
まずは、自分が持っている財産を整理することから始めます。以下表のように、財産をジャンル分けして、それぞれのジャンルについてどのような財産を持っているか明確にしましょう。
| 対象財産 | 具体例 |
| 不動産 | 自宅、土地、賃貸物件など |
| 金融資産 | 預金、株式、投資信託、保険など |
| 動産 | 車、宝石、美術品など |
| 借入金・ローン | 住宅ローン、カードローンなどの負債も明記 |
※Excelを使ったりノートに手書きしたりして「財産目録」を作っておくと、相続人が手続きしやすくなります。
2.法定相続人を確認する
誰が相続人になるのかを明確に把握しておきましょう。
- 配偶者は常に相続人になる
- 子どもがいない場合は兄弟姉妹や親が相続人になるケースもある
- 再婚・前妻の子・養子縁組の有無などにも注意
相続人を正確に把握することで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
3.遺言書を作成する
遺言書は、自分の意思を法的に有効な形で残す手段です。遺言書があるだけで、相続手続きがスムーズになり、トラブル防止に大きく役立ちます。
遺言書でできること
遺言書を作成することで、次のことが可能になります。
- 財産の分け方を自由に指定できる
- 相続人以外にも財産を渡せる(例:内縁の妻、孫など)
- 特定の相続人に多めに遺すことも可能(※遺留分に注意)
公正証書遺言を選択
遺言書は公証役場で作成する「公正証書遺言」を選択しましょう。偽造や紛失、不備による無効の心配がなく、また家庭裁判所による検認を受ける必要もありません。
4.生前贈与を活用する
財産の総額が一定額を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります。まずは基礎控除額がいくらになるか計算し、超えた分については生前贈与を利用するのも1つの方法です。
相続税の基礎控除額を算出する
【相続税の基礎控除額】
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
※相続人が「配偶者と子2人」の場合
3,000万円+600万円×3人=4,800万円まで非課税(基礎控除額が4,800万円)
暦年課税の非課税分を計算する
財産を分散して贈与し、暦年課税の非課税分を利用して節税に活かす方法があります。
【暦年課税の非課税枠】
年110万円まで贈与税が非課税
※毎年少しずつ財産を子や孫に渡すことで、将来の相続財産を減らせます。
5.家族信託を活用する
家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族(受託者)に託して、管理や運用・処分を任せる制度です。元気なうちに、信頼できる家族などを受託者をとする家族信託契約を締結しておきましょう。
家族信託契約の発効により、将来認知症になっても財産を凍結させることなく、受任者が財産の管理・維持・運用を行ってくれます。委任者である自分の生活は守られ、また自分の死後の信託財産について二次相続指定することも可能です。
6.エンディングノートを作成する
エンディングノートは、最期を迎えるにあたっての自分の希望や思いを記録しておくものです。エンディングノートに法的効力はありませんが、元気なうちにノートを書いておくことで、自分の死後に家族が困らないようにし、トラブルを避けることができます。
エンディングノートには、以下のような内容を書き留めておくと良いでしょう。
介護の希望
どのような介護を希望するのか、施設の選定なども考えておくと安心です。
葬儀の希望
葬儀の規模や場所、費用について明確にしておくことで、家族の負担を軽減できます。
遺産相続の希望
誰にどの財産を残すか、遺言書を作成することが争族対策の一環となります。
お墓の希望
お墓の形態や場所についても、あらかじめ決めておくことで家族の迷いを防げます。
また、エンディングノートだけでなく「自分史」を書く人も増えています。
これは人生の軌跡を振り返るためのもので、自分自身を再確認する良い機会となります。
まとめ
終活は、「死の準備」ではなく、残される人への思いやりの形です。相続対策をしっかり行っておくことで、家族が手続きに困らない・相続トラブルを防げる・財産を希望通りに承継できる、という大きな安心を残すことができます。
「まだ元気だから大丈夫」ではなく「元気なうちに始める」のが、失敗しない終活・相続準備のコツなのです。
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