亡くなった後のことを家族に任せたくない。身寄りがないから、死後のことが不安。

 

そんな悩みを抱える方が増えるなかで注目されているのが「死後事務委任契約」です。

 

しかし、死後事務委任契約でどこまで任せることができるのか、法的にできないことはないのか、不安に思う方も少なくありません。

 

ここでは、死後事務委任契約でできること・できないこと、注意点などについて説明していきます

 

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約は、本人の死後に発生するあらゆる手続きを信頼できる受任者(家族・友人・専門職など)へ一括して委任できる生前契約です。

  • 契約は公正証書などで作成
  • 委任できる範囲は「法律上の事務手続き」
  • 任意後見制度と異なり、本人の死後に効力が発生

「おひとりさま」や「身内に迷惑をかけたくない」という方にとって、有効な終活手段です。

 

死後事務委任契約でできること

死後事務委任契約で委任できる代表的な死後の事務手続き一覧について整理しておきましょう。

 

葬儀・埋葬

死亡届は死亡から7日以内に提出します。火葬許可証はそのまま埋葬許可証を兼ねるため紛失厳禁です。

  • 死亡届
  • 火葬許可申請
  • 通夜・告別式の施行
  • 納骨・改葬手続き

 

行政・年金・保険

マイナンバーカードは役所に返納します。国民健康保険の資格喪失届は死後14日以内の手続きが目安になります。

  • 健康保険資格喪失届
  • 国民年金死亡一時金請求-
  • 住民票・マイナンバー廃止届

 

金融・税務

口座解約は相続人全員の印鑑証明が原則だが、委任状と死後事務委任契約で迅速化できる場合があります。

  • 銀行口座解約・休眠防止手続き
  • クレジットカード・電子マネー残高清算
  • 準確定申告

 

不動産・住まい

登記義務は死亡から3年以内に行います。賃貸住宅に住んでいる場合は、受任者に対して「原状回復・敷金返還」まで委任しておくと遺族の負担が軽減されるでしょう。

  • 相続登記義務化
  • 賃貸借契約解約・原状回復
  • 公共料金の精算

 

遺品整理・デジタル遺品

デジタル遺品は情報が漏れると不正利用に繋がるリスクもあります。委任者はログイン情報をノートなどに記載し受任者と共有しておくといいでしょう。

  • 家財処分・リサイクル
  • SNSアカウント削除
  • 暗号資産ウォレットの移管

 

各種契約解約・通知

毎月自動課金されるサービスを利用している場合は、一覧化した方が委任者もわかりやすく解約漏れも起こりにくいと考えられます。

  • 携帯電話・プロバイダ解約
  • SNS・動画サブスク解約
  • 友人・勤務先への死亡通知

 

死後事務委任契約でできないこと

死後事務委任契約には、法律上できないこと・別の制度で対応すべきことがあります。特に「相続に関する手続き」は原則としてカバーできません。

 

相続財産の分配ができない

相続は法律に基づく行為であるため、死後事務委任契約の委任者の死後は相続人による協議が不可欠となります。

 

遺言の代用にはならない

相続割合・遺贈など遺産分割に関する指定は遺言書で行う必要があります。死後事務委任契約では、相続財産にかかわる事柄を委任できません。

 

相続税の申告は委任できない

相続税の申告は相続人に課される義務であり、死後事務委任契約の受任者は代行することができません。

 

銀行口座の解約などの業務は委任できない

銀行口座の凍結解除などは相続人全員の同意が必要な行為です。死後事務委任契約で委任したとしても、受任者が相続人でない以上対応することはできません。

 

死後事務委任契約とあわせて検討すべき制度

制度 目的 補完する役割
遺言書 相続財産の分配・遺贈 死後事務契約では対応できない部分を補完
任意後見契約 判断能力低下時の財産・身上保護 死後ではなく「生前」に必要な備え
家族信託 財産の管理・承継 認知症対策や死後の財産承継を補完
公正証書による契約 証拠力の高い形式 契約の有効性を担保し、争いを防止

 

死後事務委任契約に関するよくある質問

死後事務委任契約に関して抱きがちな疑問を取り上げ、回答していきます。

 

相続人がいても死後事務委任は必要?

相続人が遠方・高齢・多忙である場合、死後事務や相続などの実務負担はとても大きなものとなってしまいます。専門家と死後事務委任契約を交わし、受任者を引き受けてもらうことで、遺族は相続手続きに集中できるでしょう。

 

委任者が先に認知症になったら?

死後事務委任契約は、契約締結時点で委任者に意思能力があることが前提です。まだ元気なうちに死後事務委任契約書を公正証書化しておき、認知症などの症状が現れた場合は成年後見制度と連携することも検討してみましょう。

 

費用の支払いは誰が管理?

死後事務委任契約で指定した信託口座/預金口座から受任者が領収書付きで引き出す運用が一般的です。

 

受任者が死亡・辞任したら?

受任者の死亡や辞任に備え、契約書に「予備受任に関する条項」を加えておくと安心です。

 

まとめ

死後事務委任契約は、自分の死後に必要となる事務手続きを信頼できる人に任せておける制度です。死亡届の提出や葬儀・火葬の手配、施設やライフラインの解約、遺品整理など幅広く対応できます。

 

一方で、相続財産の分配や不動産の名義変更、銀行口座の解約といった相続関連の手続きは対象外です。トラブルを防ぐためには、契約内容を明確にし、遺言書や家族信託との併用も検討しましょう。

 

弊社では、死後事務委任契約だけでなく、遺言書案の作成や相続手続きのサポートなど、ご依頼者様の将来設計に応じた適切なプランの提案が可能です。また、専門家による助言があった方が、死後事務を委任するにあたり十分な心構えも持てますので、ぜひ無料相談をご利用ください。

 

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