高齢者の方や身寄りのない方が、自分の死後の手続きを安心して任せるために検討するのが死後事務委任契約です。葬儀や埋葬、家の片づけなど相続以外の事務を生前に依頼しておくことで、亡くなった後もスムーズに手続きを進められます。

 

しかし、契約後に家族や受任者、あるいは親族同士のトラブルが発生するケースも少なくありません。

 

ここでは、死後事務委任契約で起こりがちなトラブル例と問題点対策について説明していきます。

 

死後事務委任契約で生じやすいトラブル例

死後事務委任契約は、自分の「万が一」に備えた生前準備として大変大きな役割を果たします。しかし、契約内容が不十分だったり関係者への説明が不足していたり、あるいは親族間に不和が合ったりする場合、トラブルに発展することもあるのです

 

【トラブル例】契約の存在が家族に知らされていないケース

そもそも死後事務委任契約があることを家族が知らない」というケースは意外と多いものです。委任者の死後、受任者が契約に基づいて葬儀や住居解約を進めようとしても、家族が「そんな契約は聞いていない」と反発し、トラブルに発展することもあります

 

【トラブル例】契約内容が曖昧または口約束だけのケース

死後事務委任契約を口頭で交わすだけでは契約の存在や具体的な内容を証明しにくく、相続人が異議を唱える可能性が高まります

  • 「受任者がどの手続きをどの範囲で行うのか」
  • 「どのような葬儀・埋葬形式を希望しているのか」

これらが曖昧なままでは、後々周囲と意見の食い違いが起こりかねません。

 

【トラブル例】受任者と相続人が対立しているケース

死後事務委任契約の内容に家族や相続人が納得していない場合葬儀や埋葬方法について衝突が生じるケースもあります。特に「散骨を望んだ委任者の意向」と「菩提寺に納骨したい家族の意向」が合わないなど、感情的な対立が起こりやすいです。

 

【トラブル例】預託金の使い込みが疑われるケース

死後事務委任契約では、委任者があらかじめ預託金を受任者へ渡すことが多いですが、まとまった金額を預かったことによる「使い込み」など不正が起こることもあります。受任者への信頼が前提とはいえ、管理方法に注意しないと後々の紛争に発展する可能性があります

 

死後事務委任契約のトラブル防止対策

トラブル要因について理解したところで、どのような対策を講じておくべきか整理しておきましょう。

 

1.死後事務委任契約を書面化し公正証書にする

死後事務の委任は、口約束だけではなく、書面(契約書)を作成し、必要に応じて公正証書にしておくことが重要です。契約書には以下のような事柄について明確に記載しておきましょう。

  • 契約の存在
  • 死後事務の範囲(葬儀・火葬・納骨・遺品整理など)
  • 費用負担(預託金の管理・使途)
  • 契約の解除条件 など

詳細を明記するほど、後々のトラブルを避けられます。

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2.死後事務委任契約について家族・親族に事前説明する

「家族に契約を秘密にしておきたい」という場合もありますが、後で知った家族が反発してトラブル化する可能性が高まります死後事務委任契約を結んだことや、その概要を家族にも一通り説明しておくと、スムーズに事務が遂行される確率が上がります

 

3.死後事務向け預託金の管理ルールを明確化する

万が一のことが起こり受任者が死後事務を行うには、相応の金銭が必要です。委任者は、預託金の保管・管理方法を契約書に定めておくことが大切です。

  • 受任者が分別管理する口座を設定し、死後事務以外の用途に使用しない
  • 使途の報告義務や、第三者による監査の設定も検討可能

 

4.死後事務委任契約書に葬儀や埋葬の具体的希望を記載する

「散骨してほしい」「家族葬にしてほしい」など、葬儀・埋葬の形を希望する場合は、死後事務委任契約書に具体的な指示を記載しましょう。受任者も家族や親族に説明しやすくなり、不一致が起こりにくくなります。

 

トラブルを起こさない「死後事務委任契約の作成ポイント」

後々トラブルを起こさないための「死後事務委任契約のポイント」に注意しながら、作成のステップを追っていきます。

 

1.死後事務の受任者を選ぶ

死後事務委任契約において、自分の死後のさまざまな対応を行ってくれる受任者選びはとても大切です。信頼できる親族や知人、または専門家(行政書士・弁護士など)、人選は慎重に行いましょう。また、受任者が受け入れ可能な業務範囲を、委任者としてもしっかり確認しておきます

 

2.死後事務委任契約の内容を詰める

死後事務委任契約書案には、

  • 【死後事務の具体的範囲(葬儀、納骨、住宅解約、ペットの世話など)】
  • 【預託金額】
  • 【受任者の報酬】
  • 【預託金の管理方法】

など、必要な項目を漏れなく明記することが大切です。

 

また、委任者の希望(葬儀の規模、散骨の有無など)についても明確に主張しておき、死後の関係者間のトラブルを回避しましょう。

 

3.死後事務委任契約を公正証書化する

死後事務委任契約書を作成したら公正証書にしておきましょう。そうすることで、もし紛争が起こったときでも、委任者の意思を示す強力な証拠として活きてきます

 

なお、契約書の作成にあたり、受託者だけではなく他の家族や親族にも契約内容を伝え、理解を得ておくことが大切です。

 

4.死後事務委任契約書の定期的な見直しを行う

時間が経つにつれ、委任者本人の意向や状況が変わることもあるでしょう。受任者とはよく連絡を取り合い、必要に応じて契約を修正しアップデートしておきましょう。

 

まとめ

死後事務委任契約は、委任者が亡くなった後の葬儀や埋葬、遺品整理などを任せる重要な制度です。しかし、契約の存在を家族が知らなかったり契約内容が曖昧だったりすると、トラブルに発展する可能性があります。

 

万が一のときに備えた死後事務委任契約は、安心して最期を迎えるための大切な手段です。当行政書士法人では、契約案の作成からトラブル防止策のご提案まで、丁寧にサポートいたします。無料相談もご用意しておりますので、ご不明点があれば遠慮なくお問い合わせください。

 

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