人はいつ、どのような病気を患うか分からず、認知症や末期がんなどで意思表示ができなくなる可能性もあります。そんなときに「延命治療だけは拒否したい」「最期は自分らしく迎えたい」という強い思いを持つ方も少なくありません。そこで注目されるのが尊厳死宣言です。

 

ここでは、尊厳死宣言の記載項目と公正証書作成を伴う専門家サポートについて説明していきます

 

尊厳死宣言とは何か

医療技術の進歩によって、植物状態や深い昏睡状態になっても、生命維持装置を用いることで延命が可能な時代になりました。しかし、本人が延命を望まない場合でも、意思表示ができない状態では医療側は延命措置をやめにくいのが実情です。

 

尊厳死宣言とは、「不治かつ末期の状態」に陥った場合には延命治療を拒否し、自然に死を受け入れたいという意思表示を事前に行う仕組みです。この宣言があれば、周囲や医療現場は「本人の強い意志」として延命措置を回避する判断をしやすくなります

 

死後事務委任契約との違い

死後事務委任契約は、本人が亡くなった後の葬儀や火葬、役所手続きなどを第三者に依頼するものです。一方、尊厳死宣言は、本人がまだ生きているが意思表示が難しい状態(末期の病状など)になった時点で延命治療を拒否する意志を示すものです。

 

両者の目的は異なるため、特に自分の「生前〜死後」の意思を包括的に整理したい場合に併用されることがあります

 

自分らしい最期を迎えるための尊厳死宣言

尊厳死を望む方の多くは、「機械につながれて生きながらえるのではなく、人間らしく最期を迎えたい」という考えを持っています。たとえば、末期がんである場合、痛みを和らげるための苦痛緩和は最大限行う一方、積極的な延命装置は使用しないという選択肢を表明するのです。

 

尊厳死宣言書に盛り込む項目

尊厳死宣言書には、終末期医療に関する具体的な希望を明文化します。以下は代表的な内容です。

 

末期状態になった場合の延命措置拒否

  • 人工呼吸器や経管栄養など、延命目的のみの医療行為を拒否する意思

 

苦痛緩和措置の最大限実施

  • 痛みや苦しみを和らげる対策(緩和ケア)は積極的に受けたい

 

家族の同意と想い

  • 尊厳死を希望する本人の意志に、家族が理解・同意している旨

 

医師・家族に対する刑事・民事責任の免除

  • 尊厳死を認めてもらっても責任を追及しない

 

撤回しない限り効力を持ち続ける

  • 本人が取り消したいと感じたときには撤回できるが、それまでは継続的に有効

 

尊厳死宣言書の作成方法と公正証書化のすすめ

尊厳死宣言書は、私文書として自分で作成することも可能です。しかし、署名や捺印をしてあっても、本当に本人が意志をもって書いたのか後から疑問視されるリスクがあります。また、医療現場で法的拘束力をどこまで認めるかは不透明です。

 

公正証書にする意義

公正証書による尊厳死宣言は、公証人が本人の意思を確認し、書面にしてくれるため、内容の真正を担保しやすい点が最大のメリットです。公正証書には以下の利点があります。

  1. 法的証拠力が高い
    • 文書の真正性が明確になる
  2. 医療従事者や家族が判断しやすい
    • 「本人の意思が明確であり、第三者(公証人)による確認済み」として尊重されやすい
  3. 専門家のアドバイスを受けやすい
    • 行政書士や弁護士と相談しながら文案を作成し、公証人と打ち合わせできる

 

作成手続きの流れ

  1. 原案の作成
    • 自分で作成するか、専門家に依頼しながら内容を詰める
  2. 公証役場で打ち合わせ
    • 公証人に内容を伝え、確認や修正を行う
  3. 公正証書の完成と署名捺印
    • 正本・謄本を本人が受け取り、原本は公証役場が保管

 

弊社の「尊厳死宣言サポート」について

当行政書士法人では、生前対策の一環として尊厳死宣言の作成を支援しています。「いざというときに延命治療は望まない」「自然な旅立ちをしたい」という相談が増えているため、公正証書作成を中心としたサービスを提供中です。具体的には、以下の業務をまとめてお引き受けします。

  1. 尊厳死宣言の文案作成サポート
    • 本人の具体的な希望をヒアリングし、法的な文言に落とし込む
  2. 公証人との調整
    • 公正証書化する日程や内容について公証人と打ち合わせ
  3. 尊厳死宣言と遺言のセット依頼にも対応
    • 「延命治療拒否の意思表示」と「遺産の分配や死後の手続き」などを同時に整備する方が増えている

 

尊厳死宣言と遺言書の違い

  • 尊厳死宣言:不治かつ末期の状態で延命治療を拒む意思表示
  • 遺言書本人の死後、財産の分配や葬儀の形式などを定める文書

 

この2つは目的や適用タイミングが異なるため、併用すると生前の医療方針と死後の相続対策を同時に叶えることができます

 

公正証書でも法的拘束力は医療判断次第

尊厳死宣言書は延命治療を拒否する意思を示すものですが、医療現場に対して絶対的な法的拘束力を持たせるわけではありません。それでも、公正証書を利用した宣言書は「本人が望んでいること」を強く裏付けるため、医師や家族が終末期医療の方向性を決定する際に大きな参考になります。

 

また、家族への想いや医療スタッフへの責任免除などが明記されることで、親族間のトラブルや医療側の懸念を軽減できます。

 

まとめ

もし自分が不治の病や末期状態になった際、「ただ長らえるのではなく、自分の望むかたちで旅立ちたい」と強く思うなら、尊厳死宣言の公正証書化を検討してみるのもいいでしょう。

 

弊社では、尊厳死宣言をはじめ、任意後見契約や死後事務委任契約など生前対策全般に注力しており、無料相談も実施しております。弊社がしっかりとサポートしていきますので、しっかりと話し合ったうえで、いざというときの備えを万全に整えていきましょう。

 

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